今回は、昨今のパワーリフティング界で行われている“ウォーターローディング”の方法について私の実体験も含めてお話ししていこうと思います。
この記事が役に立つ方
- 大会前の減量方法で迷っている方
- 大会前に体重をもうひと落ちさせたい方
- 階級選択で迷っている方
- ウォーターローディングの方法を知りたい方
- 筋肉量を落とさずに検量をパスしたい方
ウォーターローディングは魔法ではない
まず初めに、ウォーターローディングは魔法ではありません。
というのも、近年競技人口の増加や海外の情報の流入などからウォーターローディングを実施する人が増えSNSなどでもよく見かけるようになりました。
今まではいわゆる「水抜き」といったもので、水分摂取量を減らしつつサウナや有酸素運動で体水分を減らしていくというものでした。これに対し、ウォーターローディングは水を【数日間のローディング期間+数日間のカット期間】と分けて計画的に実施します。
このローディング/カットのサイクルで試合当日に一気に水分が抜けて検量をパスすることが可能になるというものです。
冒頭で“魔法ではない”と書いた理由はこの水分の落とし幅にあります。
軽量級(59/66)〜中量級(74/83)の選手でも、ウォーターローディング/水抜きで5〜8kg程度落としている選手も見受けられます。これは明らかに水分の抜き過ぎです。ここまで大幅に水分を抜いてしまうとパフォーマンスの低下や健康上問題が出てしまうことが懸念されます。
ですので、これからウォーターローディングを取り入れてみたい、取り入れていこうと思っている選手の方は、まず初めにその点をしっかり頭に入れておきましょう。適切に行えば武器にもなるので、過度な期待をせずに実施していって頂きたいと思います。
脱水症の危険性を把握する
人は通常時、2%以上水分が失われると脱水症になります。
脱水症状には、失われる水分量によって大きく3段階に分かれます。
軽度・・・2〜5%未満
中等度・・・5〜10%未満
重度・・・10%以上
【現れる症状】
微熱、口渇感、体重減少、尿や発汗の減少
その他にもめまいや立ちくらみ、痙攣、集中力の低下、頭痛、食欲低下、嘔吐、下痢、便秘、筋肉の痺れ、腓返りなど、ケースによって様々な症状が大小現れます。
ウォーターローディングを実施している際は、上記の症状が現れていないかなど注意深く観察する必要があるので、しっかりと頭に入れておきましょう。
異変があった場合は速やかに中止し、医療機関などを受診してください。
メリットとデメリット
ウォーターローディングのメリットとデメリットは以下の通りです。
メリット
- 筋肉量を極力落とさずに検量体重まで落とせる
- 人によっては長い減量期間を設けなくても良い
- 試合前のルーティンが確立されやすい
デメリット
- 検量オーバーの危険性がある
- 脱水症状の危険性がある
- 検量後のリカバリーを怠るとパフォーマンスが下がる
概ね上記のようなメリット、デメリットが挙げられると思います。
特にメリットとして大きいと私自身が感じている事は、やはり筋肉量を維持しつつ検量をパスできる事です。
これは世界大会に出場した際も実感しました。海外の多くの選手はウォーターローディングを当たり前のように実施しています。筋肉量を維持しつつ、検量をパスし、リカバリーで元の体重へ戻すことで普通にダイエットで落としていた選手に比べて+2kg程度のアドバンテージを持って戦えるのです。
また、試合時だけではなく、試合後のトレーニング期間でも筋肉量が減少した状態からスタートするのか、維持した状態からスタートするのかでトレーニングの強度や怪我のリスクが大きく異なります。
こういった理由から多くのトップ選手がウォーターローディングを取り入れているのだと思いますし、私も取り入れるに至った理由です。
適切な落とし幅を知ろう
では、実際にウォーターローディングを実施する際の適切な水分の落とし幅はどの程度でしょうか?
競技パフォーマンスを発揮できる割合は、体重の3%以内が理想です。
可能な限り2%以内で減少率を抑えられるとより高いパフォーマンスを維持できると思います。
*競技特性上の一時的かつ計画的な水抜きとして、健康リスクを極力下げて実施する前提です。
これをパワーリフティングの各階級に置き換えると以下のようになります。
各階級に、減少割合を足した体重がウォーターローディングを開始する体重の目安になります。
私の場合は、105kg級なので
- 2%の場合:105kg+2.1kg=107.1kg
- 3%の場合:105kg+3.15kg=108.15kg
- 4%の場合:105kg+4.2kg=109.2kg
- 5%の場合:105kg+5.25kg=110.25kg
といった具合になります。
この目安体重になるまでは計画的に減量を行う必要があります。
適切な減量期間とマクロ管理(三大栄養素)を設定し、実施した上で2〜3%以内のウォーターローディングを実施すると良いパフォーマンスを維持した状態で検量をパスすることができるでしょう。
ここまでがウォーターローディングを実施するまでの導入、前提の理解です。
後編では実際の方法を私の例を交えながらお伝えしていこうと思います。
ぜひ後編もお読み頂ければ嬉しいです。
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