ストレッチロール、ストレッチポールの効果的な使い方【後編】

恵比寿(渋谷・広尾・目黒近郊)パーソナルトレーニングスタジオマスターマインド、パーソナルトレーナーの栗原ひろのりです。

前回の『ストレッチロール、ストレッチポールの効果的な使い方【前編】』に引き続き、多くの方が使用しているであろう「ストレッチロール」や「ストレッチポール」などといったリリース系ツールの効果的な使い方について、簡単ですが書いていこうと思います。

ぜひ前編と合わせてお読みください!

内転筋

内転筋は、多くの方が硬くなっている部位です。

特に、反り腰の方や扁平足の方、X脚の方などはしっかりと緩めることをおすすめします。

また、スクワットで上手く臀部に効かない、ニーインが強くしてしまう、股関節のつまり感が強い、などという方もしっかりとここを緩める事で大きく感覚が変化してくると思いますので、ぜひお試しください。

 

写真の様にストレッチロールに覆いかぶさる様にして使用します。

鼠蹊部から内腿を膝内側あたりまでローラーをかけます。

 

おそらく多くの方が上の写真の様に、付け根付近に凝り感や痛み、違和感などを覚えると思いますので、そこで静止し1分〜3分程度緩めると良いです。

非常に硬い感覚があればそれ以上でも良いと思います。

 

後脛骨筋

脛のちょうど内側あたりに位置する筋肉ですが、ランニングや走り込みなどを過度にする人はしっかりとケアする事が大切な部位です。オーバーワークになると「シンスプリント」と言われる症状に悩まされる事も多いので是非日頃から気をつけて欲しい部位です。

また、O脚の場合なども硬くなっている傾向が強いので、該当しそうな場合は緩めるのもありです。

シンプルに写真の様に脛の内側にストレッチロールを当てて、脛の内側全体にローラーをかける様にしていきます。

多部位と同様に一番硬いところや凝りが強いところで静止し、しっかりと緩めると良いですね。

 

前脛骨筋

前脛骨筋は脛の筋肉の事です。

普段足首が硬かったり、正座ができない程硬い方は必須かと思います。

スクワットで上手くしゃがめない場合の原因になる事もありますので、股関節周りが柔らかいのにフルスクワットができないという場合などは、こちらを緩めてもいいかもしれません。

姿勢で言えば、O脚の方は硬くなりやすい傾向にあるので是非緩めてみてくださいね。

四つ這いの状態から、写真の様に膝を折りたたんで脛全体に圧をかけて緩めていきます。

特に真ん中やや上あたりの筋腹付近は張りやすいのでしっかりと緩めてください。

 

大腿四頭筋

腿前の筋肉の総称(外側広筋、中間広筋、内側広筋、大腿直筋の4つ)です。

ここも硬くなりやすい部位なので、ある程度ルーティンで緩めても良いと思います。

特に反り腰で腰痛持ちの方はしっかりと緩める事をおすすめします。

写真の様に両腿をストレッチロールに乗せて多部位と同様に緩めていきます。

特に中央から股関節前方の鼠蹊部あたりにかけて硬い事が多いので、そのあたりを重点的に行うのが良いと思います。

 

大腿筋膜張筋

ちょうど骨盤の横辺りにある筋肉で硬くなると股関節を内側に捻る働きをします。

その事が原因で股関節内側のつまりが出たり、膝に負担がかかったり、外腿を必要以上に使って太くなってしまったり、臀部が働きにくくなったりと様々な原因を引き起こします。

特にスクワット時に股関節につまり感を感じる方は一度緩めてみてください。

大幅に感覚が変わる事も多いです。

写真の様にストレッチロールに乗ります。

股関節の横の出っ張った骨(上前腸骨棘)の横あたりに、やや前のめりになって圧をかけて静止します。

おそらくここが張っている方は、その状態で圧をかけただけでかなり痛いと思うのでや慎重に行ってください。

緩めた前後でスクワット動作などが楽に感じられていれば短い時間でも必ず緩める様にするとトレーニングのクオリティが向上していくと思いますし、怪我の予防にもなっていくはずです。

 

こんな感じでもOKです。

 

 

小胸筋のリリース

小胸筋は大胸筋の深部に位置し、肩甲骨と肋骨を前側で繋げている筋肉です。

この小胸筋が硬くなると肩甲骨が前傾したり、巻き肩を促進したりしますので、姿勢的にも好ましくはありません。

肩や腕を内側や前に引っ張る形になるので、スクワット時には肩甲骨が寄せにくくなりますし、肩関節の外旋動作や下部僧帽筋に対して抑制をかけますので肩甲骨の下制(肩甲骨を下に下げること)が出来にくくなります。

 

写真の様に肩の前、鎖骨と肩のつなぎ目から指1〜2本下にある突起(烏口突起)の下部分にストレッチロールを当てます。

肩は45〜60度程度開き、台などに置くとストレッチ感を感じながらしっかりと緩んでいくのが実感できると思います。

 

 

足底

足底は、多くの固有受容器が存在している事や、唯一地面と接している面という事でとても重要な部位になります。

その分、負担も大きくなり様々な代償動作や機能不全になりやすい部位でもあります。

トレーニング中はクローズドポジションで行う動作も多いので、この足底のコンディションを良い状態に保つことは重要度が高くなるのは明白です。

 

細かい事をあげるとキリがないのですが、既出の前脛骨筋や腓腹筋(ふくらはぎ)、腓骨筋などをリリースするだけでもこの足底の状態は改善される事が間々あります。

+αで、写真の様に土踏まずや、MP関節(親指の付け根と〜小指の付け根を結んだ関節)、踵と小指を結んだ中間ぐらいの場所などを緩ませると足底感覚が非常に良くなり、安定して立てる感覚が掴めると思います。

足関節が硬い方は、足底を緩ませる事で足関節が柔らかくなる事もあります。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?

少し細かな説明なども入りましたが、自分の気になる部位やケアを怠っていた部位、動きの妨げになっている可能性のある部位、などは積極的にトレーニング前、練習前に緩めてみてください。

注意点としては、『緩めすぎない』という事。

トレーニングが練習前に緩めすぎてしまうと、筋肉の収縮が上手く行えない様になってしますので、自分のコンディションにあった程度を普段からしっかりと取り組みながら把握していくのが最善かと思います。

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